2017年1月11日、特許庁は沖縄名産の果物「沖縄シークヮーサー」を地域団体商標として登録査定した。南国の特産である柑橘系果実として、さらなるブランド普及や販路拡大が期待されている。
(参照:沖縄県産シークヮーサーのブランド力強化を狙い、地域団体商標を出願

沖縄県産シークヮーサーは2013年度出荷量が3500トンに迫る沖縄の特産品であり、2位の鹿児島県の10トンを大きく引き離して国内産のほとんどが沖縄産となっている。

「シークヮーサー」の名前は沖縄方言に由来しており、「シー」は「酸い」、「クワス」は「食わし」の意味である。昔は硬い布をシークヮーサーの荷重によって洗浄することで、酸の効果により布を柔らかくする工程を行なっていたという。

シークヮーサーは琉球諸島や台湾に自生する柑橘系の果物で、爽やかな芳香が好まれるシークヮーサーは、直径3センチから5センチほどの小ぶりの柑橘系果実となっている。

今回の登録査定により、全国での地域団体商標への商標査定は合計608件、うち沖縄においては16件となった。

地域団体商標登録制度は、平成18年4月から始まりましたが、今年の4月で実施から満11年となります。実施から現在までに登録された件数は608件なので、1か月あたり約4.6件、1年で約56件の登録が行われたことになります。

地域団体商標登録は、出願者が、農協や漁協等の一定の団体に制限されていることを考えると、1か月あたり4.6件という数字は、地域団体商標登録制度が積極的に利用されていることを示していると言えます。

そして、このことは、人・物・金が地域や国境を越えて活発に移動するグローバル経済の進展するなか、逆説的に、地域に根差した伝統的かつオリジナルな商品やサービスの評価が高まっていることを示唆しています。

今回の沖縄県の「シークヮーサー」も、地域団体商標登録をすることによって、単なる南国の柑橘系の果物から、沖縄県の特産物として、独自の歴史と文化を持った農産物として、広く内外にアピールできるようになります。

今後、沖縄県の「シークヮーサー」が、日本全国や海外でその知名度のアップや販路拡大が、大いに進展することが期待されます。