2017年9月、大幸薬品の中心的商品である正露丸のコマーシャルメロディが音商標として登録された。今後は音商標や色彩商標、動き商標といった新しいタイプの商標が増えていくことが期待されている。
(参照:大幸薬品が「正露丸」ラッパのメロディを音商標として特許庁へ商標登録出願

今回登録された正露丸のコマーシャルメロディは、1951年から60年以上に渡ってコマーシャルメロディとして親しまれてきた音源である。元々、旧日本軍の食事の合図として吹かれていたラッパのメロディからとられている。

2015年4月から始まった新しいタイプの商標のひとつである音商標としては、全国で初の登録となった。商標申請が始まった2015年4月にトップバッターとして出願を出した正露丸のコマーシャルメロディが、2年6か月の歳月を経て晴れて登録されたことになる。

音商標の審査に当たっては、音だけで当該商品をイメージできるという証明が必要であり、大幸薬品では1951年以来5年ごとのコマーシャル資料を提出し登録が認可された。

特許庁では、音商標を「言語を超えたブランド発信手段として、企業ブランド戦略に大きな役割を果たすことが期待される」ものと位置付けています。音の商標登録は、2015年4月1日から、出願の受付が開始されましたが、現在で約170件ほどが登録されています。

その中には、「ファイトーイッパツ」(大正薬品)、「おーいお茶」(伊藤園)、「ブルーレット置くだけ」(小林製薬)など、おなじみの音声やCMメロディーが含まれています。

今回登録された大幸薬品のコマーシャルメロディは、音商標の登録では、はじめて音のみで構成されたものになります。もともとこのメロディーは、ラッパの音で構成されていますが、製品パッケージに印刷されているラッパのマークを想起させ、メロディとラッパのマークを結びつけるブランディング戦略を意識して設定されました。

消費者が、ラッパの音を聞いて、ラッパのマークの正露丸を思いだし、正露丸を買いたくなるという発想なのでしょうが、その巧妙さには、驚くべきものがあります。