2016年6月17日、総務省は結発講座「e-ネットキャラバン」を商標登録した。同サービスの普及拡大や認知度向上を目指すうえで役立つことが期待されている。今回の商標登録権者は総務省ならびに運営主体である一般財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)となっている。
(参照:英語表記の製品・サービス名を商標登録する場合、カタカナや平仮名(ひらがな)での呼称も保護されますか?

「e-ネットキャラバン」とは、子どもたちがインターネットを安心安全に利用するための啓発講座である。児童生徒だけでなく、保護者や教職員への啓発を行なうために、情報通信企業や団体、文部科学省が協力している事業だ。

これまで総務省としては、総合通信局職員を講師として派遣するほか、自治体・学校関係者等への周知を行なったり、講座内容の検討への協力を要請するなど活動を促進している。

悪辣な意図を隠して児童に近づくことが容易なインターネットの実態だけでなく、ケータイ依存、ネットいじめ、ネット誘引、ネット詐欺などのトラブルも多発しており、安心してインターネットを使うための対策が急がれている。

危機を知るとともに、実情に精通してもらい、安心してインターネット利用の家庭内ルールを確立するなど保護策の講じ方を普及させたいとしている。

商標登録というと、ビジネスでの利用がすぐに思い浮かべられますが、今回の総務省の「e-ネットキャラバン」の登録のように、ビジネスとは本来関係ないはずの公共団体が権利者となる申請も結構見受けられます。

今回の登録の目的は、「e-ネットキャラバン」の普及拡大及び認知度向上ということで、ビジネスとは無関係なので、その点においては、公共団体が権利者となる登録でも不自然ではないということができます。

また、商標登録を行うと、出願時の指定商品及び指定役務に関して、商標権者以外の者が、登録商標を使用することができなくなります。商標登録を行わないと、「e-ネットキャラバン」を利用して子供たちに有害情報を発信するものがいても、法的手段を取ることはできません。

インターネット上の有害情報から子供たちを守ることが目的の「e-ネットキャラバン」が、子供たちへの有害情報の発信に利用されたとあれば、大変なことになります。今回の商標登録で、その場合には有効な対策が打てますから、その点でも、今回の登録は有意な行為だということができます。