2017年6月、兵庫県三田市は特産品用のロゴマークを商標登録した。三田産特産品の品質や鮮度を広く発信するデザインとして期待が高まっている。
(参照:キユーピーがロゴマークを「銃砲、爆薬など」の区分である第13類で商標出願

2016年8月から9月にかけて兵庫県三田市がデザイン公募を行なった。寄せられた61点の作品の中から、三田市、JA兵庫六甲、県阪神農業改良普及センターから集まったメンバーによって選考が行なわれ選ばれた。グリーンを基調とし、三田市の「さ」の字や柑橘系果実、笑顔をイメージしたデザインとなっている。ロゴマーク内には「SANDA」「三田産ブランド」の文字も含まれている。

今後は市内の農畜産業者や加工業者に活用してもらうと共に、JA直売所やスーパーなどで開催されるイベントにおいてPRを行なう予定だ。三田市内で生産された農畜産物や、それらを原料とした加工品にこの商標を使用することができる。三田市に申請することで一年間無料で活用できる仕組みだ。三田産の農畜産物や加工品ということが一目でわかるロゴマークとして活用されていく予定となっている。

兵庫県三田市のロゴマークの商標登録と聞いて、最初は、市章との関係がどうなるのかな、とふっと思いました。農産物や農産物の加工品に付けるロゴマークは、地元の農協などがよく使用していますが、そもそも営利団体ではない三田市が、そういったロゴマークを使用するのは本筋ではないでしょうし、三田市がもしロゴマークを使用するとすれば、市章を使うべきでしょう。

今回の件では、三田市に申請することで、三田市の農畜産業者や加工業者が、商標登録をしたロゴマークを、1年間無料で使用することができるということで、三田市が地域振興のために登録を行ったという体裁をとっています。

よって、営利団体ではない三田市がロゴマークを使って商売を行うという矛盾は回避されていますけれども、地元の農協などが使用しているロゴマークとの関係で、今回の商標登録は、一風変わったものであるということができるでしょう。