2018年3月、特許庁は北海道産ジャガイモ「今金男しゃく」を地域団体商標に登録査定した。今後はより一層のブランド競争力強化と共に、地域経済の活性化への貢献が期待されている。 (参照:北海道産黒和牛、十勝ナイタイ和牛が地域団体商標査定

「今金男しゃく」の商標権者は今金町農業協同組合となっている。2016年11月28日に地域団体商標に出願しており、1年を超えた期間を経ての査定となっている。

「今金男しゃく」の地元今金町は、北海道の東南に長く張り出す渡島半島の付け根に位置している。今金町は昼夜の寒暖差が激しい気候であり、馬鈴薯である「今金男しゃく」を栽培するのに適したロケーションだ。戦後間もない1953年に今金町では、馬鈴薯の栽培を男爵だけという1品種に絞り、それ以外の品種の作付けを禁止してきた。

味わった時のホクホクした食感と甘みが特徴となっているが、丘陵地帯が多く作付け面積が狭いために収穫量も限られているため「幻の馬鈴薯」と評されている。

「今金男しゃく」の地域団体商標登録により、北海道内での登録件数は29件となっている。

今金町では、1953年以来、「今金男しゃく」以外の作付けを禁止し、ジャガイモの作付けを「今金だんしゃく」1種類に絞って、長年、この品種の改良に努めてきました。その甲斐があって、現在では、「今金男しゃく」は、常に最高価額で取引されるジャガイモの最高級品と言われるまでに成長しております。

しかし、北海道の今金町以外の生産者や、海外の生産者が、別のジャガイモを北海道の「今金男しゃく」ブランドで販売したらどうなるのでしょうか。

品質の低いジャガイモが「今金男しゃく」のブランドで売られることによって、消費者に「今金男しゃく」は値段の割には大したことがない、などという風評が立ってしまいます。そうなると、本物の「今金男しゃく」を生産する今金町の生産者は、大きな打撃を受けるでしょう。

地域団体商標登録をしておけば、商標権者以外の生産者が「今金男しゃく」のブランドを許可なく使った場合、法的な措置を取ることができます。

こうして、商標権者は、「今金男しゃく」のブランドに傷がつくことを防ぐことができます。