群馬県高崎市の高崎観光協会が商標登録申請していた「開運たかさき食堂」が、3月28日付で特許庁に認められた。同協会は、商標を有効活用して、今後さらに高崎の食文化を全国に発信していきたい考えだ。(参照:沖縄県産シークヮーサーのブランド力強化を狙い、地域団体商標を出願

「開運たかさき食堂」の名称は、大阪市で行われた「食博覧会」や東京ドームでの「ふるさと祭り東京」など、同市が食文化を紹介するイベントに出展する際に用いられているもの。

高崎市は、全国的にも有名でシェア約80%をほこる「高崎だるま」や、パワースポットとして人気が高まる「白衣大観音」「榛名神社」などを擁し、「縁起のいい街」としてその名を全国的に浸透させつつある。「開運たかさき食堂」は、このイメージで高崎の食文化を全国に発信することを目指して用いられ始めた。縁起のいい街「たかさき」の食文化が、今後どのようなブランド展開を見せるかが注目されよう。

「開運たかさき食堂」という名称から、食堂であれば、商圏が普通では高崎市内に限定されるはずであり、あえて商標登録しなくても、他人による商号の類似使用に関する禁止権や損害賠償権をもって、冒用使用に対して十分対応できたのではないかと思いました。

しかし、出願人は東京や大阪での食文化に関するイベントで使用するために登録したわけですから、全国的な効力を有する商標権による保護を受けないと対応できません。

そういったイベントの際の一時的な使用に関して、冒用使用があるかどうかは想定しにくいところもありますが、それほど出願人がこのブランドに対する思い入れが強いのかもしれません。

また、有名な商標は無登録のままだと必ずと言っていいほど冒用者がでてきますから、商標登録しておくにこしたことはありません。