石川県小松市の「小松うどん」が地域団体商標として登録査定を受けた。今後は石川県のみならず中部地域経済の振興の一翼を担うブランドとして期待がかかる。中部地方のみならず首都圏を皮切りに県外進出を図っていく。
(参照:愛知県 B級グルメ「豊川いなり寿司」地域団体商標に登録査定

「小松うどん」の商標権者は特定非営利活動法人小松うどんつるつる創研である。商標登録することで、つるつる創研が規定した「小松うどん」たる8つの条件をクリアしたうどんだけが、この「小松うどん」ブランドを名乗ることが可能となった。

出汁をウルメやムロアジ、サバなどから取ること、小松市内で製麺された麺を使用することなどの条件をクリアした約70軒のうどん店が、小松だけでなく能美や金沢に存在する。今回の地域団体商標への登録査定は、中部経済産業局管内のNPO法人としては「豊川いなり寿司」と並んで初めてのケースとなっている。

「小松うどん」はその昔、藩主や将軍に献上されたとの由緒ある歴史を持つご当地グルメであり、俳句集「奥の細道」の作者、松尾芭蕉も食したとされている。つるつるとしたコシのある細麺が特徴となっている。

今回の事案の大きな特徴は、中部経済産業局管内で初めての、NPO法人が権利者となる地域団体商標登録であるという点です。NPO法人は、特定非営利活動法人法(NOP法)によって設立された法人で、その活動によって生み出された利益を、社員や株主に分配せずに、その設立の目的を実現するためのみに使用するという団体です。

地域団体商標であれ、普通の商標であれ、商標は、営業として商品やサービスの取引を行う際に使用するブランドのことを意味しますから、基本的には、株式会社などの営利法人が権利者になることが多くなります。しかし、今回登録された地域団体商標「小松うどん」は、営業で生み出された利益を社員や株主に分配しない非営利法人が権利者となります。

このことによって、NPO法人が地域団体商標の権利者となる新しい形態が生み出されたわけですが、今後、このブランドがどのような発展を遂げていくかは、興味深いところです。