2015年2月24日、インターネットオークションでマイクロソフト「Office」の商標を無断で使用した商標法違反の疑いにより会社役員が逮捕された。容疑者は、犯罪の認識はなかったと容疑を否認している。
(参照:全国初、リアルマネートレード(RMT)業者が商標法違反で逮捕

問題となったのは、米コンピューターソフト大手のマイクロソフト社の商標である「Office」の文字とロゴとなっている。2014年6月13日ごろインターネットオークションサイトにソフトウエアを出品した容疑者は、同社に無断で商標を使用した疑いがもたれている。

逮捕した栃木県警によると、同容疑者はオークションでマイクロソフト社の 「Office Professional Puls 2013」を不正に起動できる認証コードを販売しており、著作権法違反の疑いもあるとのことである。

オークションサイトでは、認証コードのみを販売するなどの不正な転売がみられており、購入してもライセンス認証ができないなどの問題も多く発生している。

商標権の侵害があった場合、刑事上は、商標法違反の容疑で逮捕及び起訴され、刑事裁判にかけられて有罪が確定すれば、刑法上の刑罰を受けます。しかし、商標権を侵害した者に対する制裁はこれだけではすみません。

今度は、民事上の損害賠償請求を受ける可能性があります。商標法第38条第1項では、商標権者等は、原則として、自己の登録商標を無断で使用した者に対して、その者が自己の登録商標を無断で使用して譲渡した商品の数量に、商標権者が、もしその侵害行為が無ければ販売することができた商品の単位当たりの利益額をを乗じた額を、その者の違法行為によって受けた損害の額として、その賠償を請求できると規定しています。

マイコロソフト社が、実際に民事上の損害賠償請求を行うかどうかはまだ分かりませんが、マイコロソフト者が今回の違反行為により受けた損害の推定金額が大きくなれば、民事訴訟を行う可能性が高くなります。

いずれにしても、他人の商標権を侵害すれば、刑事上及び民事上から厳しい制裁を受けることになります。知らないで違反行為をしてしまうこともありますので、日頃から十分な注意をする必要があります。