2018年2月9日、特許庁は愛知県西尾市の「三河一色えびせんべい」を地域団体商標として認可した。今後は市外、県外へのさらなる展開をし、ブランド競争力の向上を図りたいとしている。
(参照:愛知県 B級グルメ「豊川いなり寿司」地域団体商標に登録査定

商標権者は一色町商工会となっている。2016年12月に地域団体商標へ出願し、今回の登録となった。西尾市ではこれまで「一色産うなぎ」と「西尾の抹茶」の地域団体商標を登録しており、今回の事例で3例目となる。一方、商工会による地域団体商標への登録は中部経済産業局管内では初めて、全国でも4例目の事例だ。

「三河一色えびせんべい」は、エビと澱粉を練り合わせては焼き上げる軽いお菓子で、さまざまな味や色の種類が製造されている。エビのうまみが上手に活かされたスナックであり、たこの半生姿焼きやエビの半生姿焼きなどは名物でもある。

一色町と周辺地域ではエビせんべいの製造が盛んにおこなわれており、エビせんべい発祥の地ともいわれている。同地域の業者36社が「三河一色えびせんべい工業組合」を結成し、発展を重ねてきた。

地域団体商標の出願をすることができるのは、以下の法人です。

①地域の事業協同組合、農業協同組合等の組合
②商工会、商工会議所
③特定非営利活動法人(NPO法人)
④①~③に相当する外国法人

このうち、①については、地域団体商標制度の運用開始当初から、地域団体商標の出願をすることができる法人とされていましたが、②~④については、平成26年8月1日から、地域団体商標の出願をすることができる法人になりました。

今回の「三河一色えびせんべい」の商標権者は、一色町商工会ですが、商工会による地域団体商標登録は、中部経済産業管内では初めて、全国でも4例目と、まだまだ非常に少ない水準にとどまっています。

平成30年2月20日時点で、登録された地域団体商標の数は636件ですから、商工会による登録は、全体の1%にも満たないことになります。