2016年1月、大学の教育理念として掲げられている言葉「にんげん大好き」が商標登録された。看護師育成のためのキャッチフレーズとして広く発信していく方針だ。
(参照:愛媛県大洲市 商標登録「大洲まるごと栗イズム」8種の商品のお披露目会

この商標を申請し登録した商標権者は、島根県立大学である。開学20周年を記念して、2015年7月に商標出願し、この度登録通知が到着した。4月7日出雲キャンパスで本田学長が記者会見で発表し明らかになった。商標区分は、教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動の第41類である。

今後、スクールカラーであるブルーのジャンパーにロゴを印刷し、大学祭や大学説明会などの行事において教職員や学生が着る予定となっている。

また、受験希望の高校生に配布するタオル、名刺、封筒になどにこのキャッチフレーズを印刷し、教育理念を発信していく予定だ。同学科の前身である県立看護短大が開学したのが1995年。

それ以来、患者の気持ちに寄り添うというこの「にんげん大好き」とのキャッチフレーズのもと多くの看護師が育成されてきた。短大を引き継いだ同大学看護学科においても同様である。

商標登録というと営利目的に行うものと考えられがちですが、今回の島根県立大学の商標登録のように、公的機関が主としてイメージアップのための宣伝目的でそれを行うケースもよくあります。

商標登録はブランドを保護するために行いますが、商標登録をしたという行為自体が、一種のブランドのような、イメージアップ効果がありますから、商標権者がそれを有効に活用することで様々な効果を得ることができます。

単なるロゴを作成して、そのロゴをプリントした衣服を職員や学生が着用したり、名刺や封筒等に印刷するだけでも、大学に対するイメージアップや職員や学生の意欲向上に役立ちますが、それが、さらに商標登録をしたロゴだということになれば、その効果は一層増大します。今回の島根県立大学の商標登録は、商標登録が多様な目的のために行われるということを示す事例でした。