2016年1月21日、兵庫県警は高級プランドロゴの転写シートの販売をして商標を侵害した容疑で、兵庫県内の男女二人を逮捕した。容疑者たちは、ロゴをアイロン転写した衣服をインスタグラムという写真共有ソーシャルネットワークに掲載しており、広告として活用していた。
(参照:オークションDL販売、ロゴ不正使用 商標法違反の疑いで岡山県の男性が逮捕

問題となっている転写シートはアイロンシートとも呼ばれており、アイロンの熱を利用して図柄を衣服や靴、カバンといったものに貼り付けることで既製服をアレンジできるアイテムだ。

容疑者たちが販売していた転写シートは「シャネル」や「アディダス」、「ナイキ」ほか60社の人気有名ブランドのロゴを無断で使用していた。

このような転写シートは数年前から人気を呼んでおり、既製服「ユニクロ」にこの転写シートを使ってオリジナルのデコレーションができることから「デコクロ」とも呼ばれている。商標権者からの承認のもとに使用しているケースは少なく、当然だが商標法違反となる。

しかし、インターネット上の情報はソーシャ ルネットワークだけでなくオークションサイトやスマホアプリなど幅広く、監視しきれないのが現状だ。

今回の容疑が発覚したのは、おそらく、写真共有ソーシャルネットワークに、転写シールを使って作成した偽ブランドの衣服を掲載したことからだと考えられます。しかし、それだけでは、容疑者の氏名や住所を公開していれば別ですが、メールアドレスのみを公開している場合では、容疑者を特定できません。

露店で偽ブランド商品を販売していたのであれば、商標法違反の取り締まりはそう難しくはありません。一方、インターネット上の取引に対するそれは、非常に困難です。しかし、その困難性を利用することは、犯罪に一層の悪質性を加える行為となり、絶対に慎まなくてはなりません。