2014年12月12日、長野県内の養殖サーモンが「信州サーモン」として地域団体商標に登録された。商標権者は県養殖漁業協同組合、信州虹鱒養殖漁業協同組合、佐久養殖漁業協同組合の3組合となっている。
(参照:船橋のナシ、「船橋のなし」として地域団体商標登録が認可

県および組合としては、この登録を受けていっそうのブランド力強化と地域おこしに拍車をかけたいとしていながる。信州サーモン振興協議会では「信州の魚として認められた。さらにブランド化を進めたい」と期待をふくらませている。

この登録認可により今後この「信州サーモン」という名称は商標法によって保護されることになり、無断で使用することはできなくなった。商標権者の3団体から使用許可を受けている信州サーモン振興協議会の会員のみがこのブランド名を使用して養殖・出荷できるようになる。

この信州サーモンは、ニジマスとブラウントラウトを交配した養殖魚であり、長野県水産試験場が開発し、県を代表するブランド養殖魚として成長したものだ。出荷量は年々増加しつつあり、2013年度は315トンの出荷量を記録している。

信州サーモンの関連サイトまとめ

スーパーなどで販売されているサーモンをみると、オーストラリア産やノルウェー産などの外国産のサーモンと国産のサーモンが並べて置いてあるのをよく目にします。しかし、大半の場合、価格は輸入品の方が安くなっています。国産のサーモンは、価格においては外国産のサーモンに太刀打ちできません。ですから、価格ではなく品質で勝負する以外に方法はありません。

その際に、質の高いサーモンを開発していくことは勿論重要ですが、それと同時に開発したサーモンをブランド化し、効果的な宣伝と偽物の混入による消費者イメージの低下を防止することが極めて重要になります。

今回、地域団体商標に登録された「信州サーモン」も、この流れに沿ったものと考えられます。輸入が自由化されている現在の状況下で、価格の面で不利な日本の水産業者が外国産の商品と競争することは大変なことですが、地域団体商標を利用したブランド化戦略により、日本産の商品が外国産の商品と十分に張り合える力を持つようになることが、切に望まれます。