2017年9月1日、新党「希望の党」が商標登録された。今後は印刷物やのぼり、政治塾など、政党活動での名称を独占的に使用できることになる。
(参照:社名は商標登録したほうがいいですか?

商標権者は党首の小池百合子都知事だ。商標出願は2017年2月20日となっている。当時、政策塾「希望の塾」を立ち上げた際に、「都民ファーストの会」の文字列を商標出願したが、同時に「希望の党」の文字列も商標出願していたことになる。

9月25日の結党会見後には、さっそくインターネット動画掲示板サイトYouTubeに「希望の党」のプロモーションビデオをアップロードしており、「いろいろ想定してます」との小池都知事の言葉通りの展開となっている。

当初は国政には打って出ないと公言していた小池都知事だが、国政政党「希望の党」の商標をかなり早い段階から出願していたことになる。とはいえ、「希望の党」旗揚げに関しては9月に決意したと言及しており、前もってさまざまな展開や可能性を考慮して下準備を重ねてきたことがうかがえる。

政党による政治活動が商標法上の役務(サービス)に該当するかどうかは意見が分かれるところですが、政党が自分の政党名について商標出願や商標登録を行うことは、今回の小池氏の「希望の党」が最初ではありません。「東京維新の会」や「大阪維新の会」はすでに登録商標となっています。都知事選といえば毎回必ず立候補するドクター中松氏も、「国民ファースト党」や「日本ファースト党」を出願中です。ちなみに、「日本維新の会」も自らの政党名で商標登録の出願を行いましたが、こちらは拒絶査定となっています。

政党による商標登録では、2017年3月14日に結成された「民進党」の政党名が、その直前の3月11日に大阪にある民間会社(日本ライセンス株式会社)によって、商標登録されていたという出来事がありました。この商標登録によって、政党の民進党の政治活動が実際に妨げられたという事実はなかったようですが、こういったことが起こると、政党のイメージダウンにつながります。

その点、希望の党の小池代表は、新党が結成されるかなり前から政党名の「希望の党」の商標登録を行っていたわけですから、そつがなかったと言えます。