有料デジタル放送を無料で視聴できるように不正に書き換えた改造「B-CAS(ビーキャス)カード」を販売するなどしたとして、栃木県や北海道など9道県警の合同捜査本部が、埼玉県さいたま市見沼区丸ケ崎町に住む電気設備修理業の山本征一容疑者ら2名を商標法違反と不正競争防止法違反の疑いで逮捕したことが2013年6月21日に明らかになった。不正カードの売買に同容疑を適用したのは本件が初となる。(参照:商標権の侵害とは?)

2人は2012年6月ごろから不正に改造したカードを「無料視聴」や「永久使用可能」などとうたい、インターネットで販売し始めた。1枚15,000~35,000円で全国約1,700名におよそ2,500枚を販売し、約7,000万円を得ていた。

逮捕容疑となった2012年9月から2013年3月の半年間には、不正に書き換えたB-CASカード3枚を栃木県と山口県の男性2人に販売し、「ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ」の商標権を侵害した疑いが持たれている。2人は取り調べに対し、容疑を認めているという。

不正カードがあれば、正規では毎月数万円かかる有料デジタル放送70チャンネルを無料で視聴できる。捜査本部は、不正カードを購入して利用していた9道県の17人も不正作出私電磁的記録供用の疑いで各地検に書類送検している。

不正カードをめぐっては、「NPO法人全国放送保護協会」を名乗る団体から「告発通知」とされる書面が購入者に届くケースが多発しており、警察への告発や損害賠償請求の手続きをしない見返りに示談金として数十万円の振込を要求する詐欺も横行している。購入者リストが流出しているとみられており、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズは無関係の団体によるものであると注意を呼びかけている。

去年から話題になっているB-CASカードですね。
弁理士は特許庁に出願するときに電子証明を使用するので、B-CASカード等を読み取ることができるICカードリーダーは必須の機械です。電子証明として住基カードを使用しているからです(住基カード以外の電子証明書を使用する場合は別です)。

去年、デスクトップPCだけでなく、ノートPCでも出願できるようにしようとICカードリーダーをY電機に買いに行きました。すると全て品切れで事情を聞くと、B-CASカードでお祭りになっているため、出荷が停止されているとのことでした。正直言ってその時はいい迷惑でしたが、ネットで調べると確かにお祭りになっていました。逮捕者も出ていましたよね。

さて、今回はまた不正に書き換えた改造「B-CASカード」を販売して捕まったようです。懲りないなと思いますが、今回は「商標権の侵害」でも立件される可能性があるようです。商標法第25条には、「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。」と規定されています。今回の事件は、商標権者から正当な使用権限の許諾を受けていない第三者(逮捕者)が、指定商品(B-CASカード)に商標B-CASを業として使用したため、侵害と判断したのではないでしょうか。B-CASカードはレンタル扱いですので正規に購入することによる消尽は適用されないでしょうし、不正改造している時点で商品が変わっているので消尽は考えなくてもよいでしょう。そうなると、確かに商標権違反でもおかしくはないのかなと感じます。

B-CASカードについて問題となっていますが、巷では、B-CASカードで利権を独り占めしている某社の方も問題になっていますね。1社が占有すると大体問題が発生します。独占禁止法第1条には、「この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。」と規定されています。

独禁法に関しては弁理士の専門ではないのでこれ以上は言えませんが、どうなんでしょうか。経営者としては、最初に新しい商品やサービスを発見したら成功するのが当然ですし、経営者の努力によるものでしたら問題ないでしょう。

しかし、何らかの利権で成功しているとなると、それは問題ではないでしょうか。一方で、弁理士の私も国から与えられた権利で仕事をしている立場です。利権に無関係かというと少なからず利権が関わっている仕事をしているとも考えられます。

いずれにしましても、B-CASカードの不正改ざんは違法です。違法カードを無料、有料関わらず他人に提供することも違法です。ずるは駄目です。