2019年4月22日、酒商菅原が「KOJI WHISKY(こうじウイスキー)」を商標登録した。日本産焼酎を世界に広めたいとブランドイメージ向上を図っている。 (参照:福岡県産の漁獲類「鐘崎天然とらふく」、地域団体商標の登録査定に

商標権者は福岡市中央区で酒屋を営む酒商菅原となっている。同店が販売する「菅原水鏡」の14年物および25年物の焼酎に「KOJI WHISKY(こうじウイスキー)」のブランドを冠して海外に広めたいとしている。

「菅原水鏡」14年物は、にんじんと麦から醸造した焼酎であり、焼酎蔵「研醸」がシェリー樽で仕上げた逸品である。「菅原水鏡」25年物は、佐藤焼酎製造場が米焼酎を三種類のオーク樽で熟成させた25年物。両者ともウイスキーのような琥珀色の焼酎となっている。

これらの美味の焼酎を「日本のウイスキー」として世界に紹介したいと、今回の商標登録となった。今後は醸造法を検討するほか協会を設立し技術指導を行うなど、さらなる発展を検討している。

今回の商標登録の特徴は、焼酎に「ウイスキー」という名称を使っていることです。「ウイスキー」は大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を麦芽の酵素で糖化し、発酵・蒸留したものと定義されています。一方、焼酎は、芋、米、麦などを原料にしてこうじ菌を用いて製造される蒸留酒として定義されます。

焼酎の場合、酒税法上で色の規制があり、濃い色では出荷できないため、「琥珀色」の焼酎には「焼酎」という名称を使用できませんので、本品は、原料を調整して酒税法上はリキュールとして出荷することになっています。一方、商品名の方ですが、酒税法に合わせて「焼酎」という名称を使わず、日本産のウイスキーという意味合いで「ウイスキー」を使っています。

琥珀色の酒類が焼酎の名称を使用できないことを逆手にとって、「ウイスキー」の名称を使ったことは非常にユニークな発想で、それが商標権によって保護されることで、非常に面白い事例となっています。