2016年6月17日、広島県産和牛「比婆牛」が地域団体商標として登録された。地域特産品としてのブランド力アップとさらなる発展が期待されている。
(参照:愛知県一宮市 喫茶店の「一宮モーニング」中部で初!商工会による地域団体商標

今回認可されたのは、広島県庄原市産の素牛を県内で肥育した和牛の肉「比婆牛」となっている。鮮やかな赤に繊細なサシが入っているのが特徴で、深いコクのある味わいと上品な香りが際立っている。和牛4大ルーツの一つ「岩倉蔓」の血統を受け継いだ由緒ある広島牛となっている。

地域団体商標の登録が始まった2006年から数えて10年という節目に、今回の登録でちょうど累計登録件数600件目が数えられている。累計登録査定件数は600件あるものの、現在有効登録件数は593件である。

都道府県別でみると京都府63件が最多であり、兵庫県が35件、岐阜県が29件、石川県が28件、そして北海道が27件という具合だ。

また 産品別内訳でみると、工芸品・かばん・器・雑貨が最多の80件、織物・被服・布製品・履物は58件、食肉・牛・鶏59件、加工食品が57件、野菜が56件と食品の登録件数のそれなりに多い。

2006年4月に地域団体商標登録制度がスタートして今年で10年目を迎えますが、この10年間で600件の登録がなされたわけですから、1年間で平均約100件、1月当たり約8.3件のペースで登録が行われたことになります。

地域団体商標登録は、通常の商標登録と比較して、団体でないと出願できなかったり、登録が承認されるためにはある程度の知名度が必要であったりと、要件が厳しいのですが、それにもかかわらず、このペースで登録件数が伸びていることは、地域団体商標登録が生産者や消費者のニーズに合致した制度であるからといえるでしょう。

郷愁というか、故郷に対して格別の感情を持たれる方は多いと思います。そのことが原因なのかもしれませんが、地域の名を冠したブランドを使用すると、その商品の評価が急速に高まるという現象が起こります。

評価が高まれば、販売単価と販売量が増加するので当然利益が上昇します。地域団体商標登録制度がここ10年で急速に普及してきたということは、上記のような背景があるものと考えることができます。