2016年1月13日、福岡県警はインターネットオークションで不正にロゴを使用した商標法違反の疑いで、岡山県の男性を逮捕した。男性は容疑を認めており、売り上げ向上を狙ってのことだと話している。
(参照:「アディダス」の偽ブランド時計販売、商標法違反の疑いでネット販売業者が逮捕

逮捕したのは福岡県警サイバー犯罪対策課と西署である。男性は各種ソフトをインターネットオークションでダウンロード販売していた。そのうちのひとつである電子地図ソフトの出品情報に、地図情報サービス大手ゼンリンの「ZENRIN」に類似したロゴを無断使用していた容疑がかかっている。

ダウンロード販売とはDL販売と表記されることもあり、ファイル共有ソフトに アップロードされた電子情報をダウンロードする方法を教える際に支払いを求めるものだ。

このダウンロード販売をめぐってはPCソフトのコピーを無断で販売する著作権法違反や、ロゴを不正に使用する商標法違反などトラブルが絶えず、問題となっている。違法物としりながらダウンロード購入してしまうと、購 入者も処罰されることがあり注意が必要だ。

指定商品又は指定役務について類似商標を使用した場合には、商標法第37条により、商標権を侵害するとみなされる行為を行ったものとされます。そして、商標権を侵害する行為とみなされる行為を行ったものは、商標法第78条の2により、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又は双方の併科に処せられます。

今回逮捕された岡山県の男性は、登録商標の類似商標を使用したとされていますから、商標法第78条の2によって罰せられるものと考えられます。もし、この男性が、大手ゼンリンの「ZENRIN」のロゴと全く同じロゴを使用していたとすれば、商標法第78条の2ではなく、同法第78条が適用されます。同法78条の罰則は、10年以上の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又は双方の併科と、より一層厳しくなっています。

商標法違反は重く罰せられますが、それは、商標権の侵害行為が非常に悪い行為であることが社会的に認識されていることを意味しています。いずれにしても、登録商標やその類似商標の無断使用は、どんな理由があるにせよ、絶対に行ってはならない行為であることは間違いありません。