2015年12月24日、福井県美浜町に「美浜へしこ組合」が設立された。地元産へしこの地域団体商標登録を目指すとともに、PRの強化や品質向上を促進してさらなる販売拡大を目指していく。
(参照:特許庁、地域団体商標事例を掲載した事例集を作成

同組合は美浜町内のへしこ関連事業者13団体が合同で設立した組合だ。美浜町の呼びかけに、へしこ製造会社代表取締役や民宿・旅館の女将の会代表・地元物産振興協会会長などが応え実現した。組合事務局は町役場が代行することとなっている。

今回の組合化によって、原料である鯖の仕入れを団体として商社と取引できるようになり、仕入れ価格の抑制につながるとの期待がされている。また、インターネットによる販売強化にも取り組む予定だ。

「へしこ」は、若狭湾の郷土料理のひとつであり、鯖の切り身を塩漬け・糠漬けし保存食としたものだ。「へしこ」という名称の起源には、アイヌ語の「滲み出てくる水分」からきているとの説がある。もともと北海道でサンマを用いて製造されていた糠サンマが、北前船で若狭湾周辺に伝わったともいわれている。

地域団体商標の登録出願することができるのは、次のものに限られます。
①地域の事業協同組合、農業協同組合等の組合
②商工会、商工会議所
③特定非営利活動法人(NPO法人)
④①~③に相当する外国の法人


個人や企業は地域団体商標の登録出願ができませんから、「美浜へしこ」の地域団体商標登録を行うためには、どうしても「組合」が必要だということで、今回の「美浜へしこ組合」の設立の運びとなりました。

地域の特産品が、その地域を超えて、日本全国や海外に販路を拡大するに当たり、地域ブランドの確立と、そのブランド力を構成する商品品質の維持は、必要不可欠な要素です。

それに対して、地域団体商標は非常に優れた効果を発揮します。もうしばらくすると、「美浜へしこ」の地域団体商標の登録が行われると思いますが、その後、「美浜へしこ」の販売が日本全国や海外でどのように展開していくのかが注目されます。