2020年1月21日、特許庁は「商標拳~ビジネスを守る奥義~」と題する特設サイトおよび動画を公開した。中小企業に対して、商標制度の大切さをアピールし関心を深めてもらうことを意図している。 (参照:特許庁「事例から学ぶ 商標活用ガイド」を刊行

サイトおよび動画制作は、株式会社カヤックとなっている。「商標拳~ビジネスを守る奥義~」特設サイトでは、商標に関する基礎的な情報や活用事例を紹介するとともに、専門家に相談できる窓口を案内している。「商標拳~ビジネスを守る奥義~」動画はYouTubeで閲覧でき、カンフー映画仕立ての動画を通して、商標制度の重要性を啓発する内容となっている。

動画のストーリーは、模倣品業者との戦いに「商標拳」なる技を使って立ち向かう社長を主人公として活躍するものとなっている。商標出願の中で中小企業の占める割合は非常に低く、2018年に出願された案件の0.8%にとどまる。

その結果、知財侵害事件も多発しており、より啓発が必要と判断された。

日本国内の中小企業数は約358万と企業数全体の99.7%以上を占めますが、2018年に商標出願をした中小企業の数は約3万と、全体の約0.8%にとどまっています。この数字から、中小企業においては、商標権までには手が回らない会社や商標権に無関心である会社が、多数存在することが分かります。

こういった状況下においては、中小企業に「商標権はビジネスの基本」「商標権を知らずにビジネスをすることは経営上の大きなリスク」という意識を浸透させることが喫緊の課題となっています。今回特許庁が公開した特設サイト「商標拳~ビジネスを守る奥義~」は、この課題に対応するためのものです。

ドラマ形式の動画も用意されているため、法律が苦手だという中小企業の経営者の方も、気軽に商標権の概要を理解できる内容となっています。このサイトが、中小企業における商標制度の啓発に一役買うことは間違いないでしょう。