2018年3月20日、特許庁は「事例から学ぶ 商標活用ガイド」を刊行した。商標に関する基礎知識を始め、商標をビジネスに活用する方法やメリットをまとめている。(参照:特許庁、商標審査期間が短いファストトラック審査を開始

内容は、実際に存在する日本国内の中小企業における実例として取り上げられている。企業別のページ構成となっており、わかりやすい実例を通して学べるガイドブックである。ある企業の商標に取り組む以前にあった課題、商標への取り組み方、商標登録後の売り上げ推移などを通して、商標登録がいかにビジネスにつながるかを体感できる仕組みだ。

また、現在の商標制度の説明として、何が商標登録できるのか、どのように商標を作成できるのか、登録すればどのように権利を保護できるのかを具体的に掲載している。入手方法は、特許庁のホームページからPDFファイルとして無料でダウンロードできる。

8.0MBの詳細版と、2.9MBのダイジェスト版をダウンロードできる。また、印刷版の刊行も予定されており、無料配布されることになる。

商標権の話となると、とっつきにくく、難解で近寄りがたいイメージがあります。しかし「事例から学ぶ 商標活用ガイド」では、実際のビジネスの現場で商標権がどのような効果を発揮しているかを紹介することで、商標権がどのようなものであるかが大変分かりやすく説明されています。

例えば、大坂府に本社が所在するレッグウェアの専門メーカー「岡本株式会社」では、足の「冷え」や「むくみ」の悩みを解決するソックスとして、足首にあるツボの三陰交を暖める機能を有するソックスを開発して「三陰交を暖めるソックス」というブランドで販売していましたが、売上げがあまり伸びませんでした。

そこで、ネーミングを変更して消費者目線の「まるでこたつソックス」に変更したところ、売上げが30倍以上に爆発的に増加しました。

これはブランド戦略が成功した好事例ですが、当ガイドには、こういった成功事例が20例掲載されており、読んでみると大変参考になります。