2019年3月25日、特許庁は「地域団体商標ガイドブック2019」を刊行した。今後の地域ブランドの振興やブランド作りに寄与することが期待されている。(参照:特許庁「事例から学ぶ 商標活用ガイド」を刊行

地域団体商標の活用事例が掲載されている。成功した要因と思われることや、出願に至る経緯、商標登録後の効果性を事例ごとにまとめている。同時に商標権者はもちろんのこと、登録された品物を生産したり販売したりする業者によるコメントも載っている。

取り上げられている事例は以下の6例である。青森県の「津軽の桃」、愛知県の「豊川いなり寿司」、京都府の「京鹿の子絞」、島根県の「石州瓦」、福岡県の「小石原焼」、そして沖縄県の「沖縄黒糖」である。

また、現在地域団体商標に登録中の645件が地域別マップとして、また産品別表として閲覧できる仕組みだ。2006年に地域団体商標が制定されてから、これまで定期的にガイドブックが刊行されてきた。

2008年から2013年までは「地域団体商標〇〇年」と題した活用事例集が刊行され。2015年から2017年までは「地域団体商標事例集」、2018年からは「地域団体商標ガイドブック」と改められ、順次活用事例が掲載されてきた。

今回刊行された「地域団体商標ガイドブック2019」の特徴は、権利者だけではなく、産品を取り扱う販売業者等の声が掲載されることで、読む側が、「現場の生の声」を知ることができるという点です。「現場の生の声」を知ることで、地域団体商標が現実世界でどのようなメリットを持っているかということがよりよく理解できます。

また、6例の地域団体商標の成功事例も掲載されていますが、成功事例を知ることは、短時間で地域団体商標を理解するためには最も有効な方法です。

知的財産権の専門家を目指す方であれば商標法などの法律を勉強する必要がありますが、ビジネスに従事する方が自分のブランド戦略のために地域団体商標のことを学びたいという場合には、わざわざ法律の勉強をする必要はないでしょう。

「地域団体商標ガイドブック2019」に掲載されているいくつかの成功事例を繰り返し読み込めば、地域団体商標のおおよそのイメージやその活用方法は理解できますし、ビジネスに応用するのであればそれで十分です。

実際に地域団体商標登録を申請する際には、専門家に依頼します。