2016年9月21日、特許庁は山口県宇部市の伝統工芸品「赤間硯」が商標登録されたと発表した。今回の登録によって、全国の地域団体商標への出願件数は1143件、登録件数は598件となっている。(参照:限定販売「草津メロン」、地域団体商標に登録

「赤間硯」は、書道において墨をするために用いる「すずり」である。通常は真黒な製品が多い硯であるが、赤間硯は赤茶色をしていることと、周囲に彫刻を施してあることが特徴となっている。宇部市に伝わる伝統工芸品であり、当地の硯職人が技術を伝承して伝わって来た。

赤間硯の歴史は古く、健久2年(1191年)に奉納された記録があることから、平安時代より永遠と800年以上に渡り造り続けられていることがわかる。地域団体商標への登録により、さらなるブランド化と伝承技術の保護が期待されている。

今回の地域団体商標への登録により、山口県内の登録は7件目となった。これまで、萩焼や大内塗といった山口県の伝統工芸品が登録対象となっている。

赤間硯は800年以上の歴史があり、一般の黒色の硯と比較して、色や彫刻が施されているという点において、特色のある硯です。しかし、現在の経済状況下では、何もしなければ、安価な外国産の硯に押されて、その存在価値が埋没してしまう可能性が非常に高くなります。

この状況下で、赤間硯を地域団体商標登録をして、その価値を日本全国にアピールするということは、大変好ましいことであることはいうまでもありません。

地域団体商標登録によって、赤間硯が全国に宣伝され、その販売量が増加すれば、地域の雇用も増加するし、何よりも、長い年月にわたって受け継がれてきた日本の伝統産業を維持することができます。

また、地場産業の健全化は、地域経済の活性化に一役買います。赤間硯の地域団体商標登録が、赤間硯の生産業者及び地域経済の活性化に、大きく貢献することが期待されます。