2017年1月11日、特許庁は静岡県のご当地グルメ「みしまコロッケ」を地域団体商標に登録査定した。ご当地B級グルメとしてさらなる知名度アップが期待されている。
(参照:特許庁、愛媛県産「宇和島鯛めし」を地域団体商標に登録査定

「みしまコロッケ」は地元静岡県産の三島馬鈴薯で作られたコロッケだ。「みしまコロッケ」を名乗るには認定店として登録される必要がある。

固定店舗を構えていること、「三島馬鈴薯」を使用し原材料の仕入れ先を確認できること、今後数年は「みしまコロッケ」を販売できることの3つの条件にかなうことが必要となっている。

現在、静岡県内には「みしまコロッケ」認定店が約40軒ほど存在しており、地元住民や静岡を訪れる観光客が味わえる仕組みだ。認定店に必須となっている三島馬鈴薯とは、箱根西麓の標高50m以下の斜面地に広がる畑で作られる馬鈴薯(メークイン)を指す。

「三島馬鈴薯」を使用して「みしまコロッケ」を製造・販売することにより、地元県産の地産地消を促進すると共に、観光客誘致にもつながることが期待されている。

地元新聞主催による「みしまコロッケ総選挙」も実施され、読者が自分の好きな店舗を投票することによってグルメランキング「みしまコロッケ神」が決定されている。

地域団体商標登録を行えば、そのブランドが全国に紹介されることで知名度がアップし、また、観光客に対する宣伝も行いやすくなり、さらに、各種のイベントに活用されること等を通じて地域の活性化に大きく貢献します。

しかし、地域団体商標登録によって、ブランドの対象である商品やサービスの質が向上する効果も忘れてはなりません。地域団体商標登録を行えば、一定の基準を満たした者しかそのブランドを使用できなくなるわけですから、そのブランドで販売される商品等の質も当然に上がります。

今回の「みしまコロッケ」の登録によって、そのブランドで販売されるコロッケは、「三島馬鈴薯」を使用するなど一定の基準を満たしたものになり、それは、偽物が入り込むことを防止することで、確実に「みしまコロッケ」の品質を向上させる結果をもたらします。

地域団体商標登録には様々な効果がありますが、今回の事例から察知することができる、ブランド化がもたらす商品やサービスの品質向上効果も、その重要な一部を構成しています。