2017年1月11日、特許庁は愛媛県産「宇和島鯛めし」を地域団体商標に登録したと発表した。今後は、四国、愛媛、そして宇和島といった地域活性化とともに、宇和島鯛めしの知名度アップや普及が期待されている。
(参照:愛媛県大洲市 商標登録「大洲まるごと栗イズム」8種の商品のお披露目会

愛媛県松山周辺で伝統的に食されている鯛めし。その多くは、ほぐした鯛の身をお米と共に炊き込む、炊き込み鯛めしが一般的だ。

しかし、宇和島周辺で伝えられてきたのはそれとは違う鯛めしとなっている。鯛の刺身を溶き生卵とタレに混ぜ合わせ、ご飯に載せて頂くという独特な食習慣があるのだ。

その昔、宇和島の海賊が火を起こせない船上で、ごはんの上に鯛の刺身を載せて食べたのが始まりといわれている。現在では生卵や海藻、薬味も加わり風味豊かな鯛めしを味わえる。「宇和島鯛めし」の商標権者は、宇和島鯛めし協同組合となっている。

今回の登録査定により、四国では28件目の地域団体商標、全国では608件目の地域団体商標となる。

「宇和島鯛めし」は、果物や魚介類とは異なり、レシピも含んだ存在なので、宇和島を訪れる観光客からの注文が大幅に増加するかもしれません。地域団体商標登録を行ったことで、その存在は、日本全国に知れ渡ることとなりました。

地域団体登録商標というと、農産物等の生産者の海外進出を視野に入れたブランド戦略の一環として行われるイメージが強いです。

今回の「宇和島鯛めし」の事例は、それが、地域活性化、知名度アップ(観光客に対するアピール)等を目的として行われるものでもあるということを示しています。