質問者

ロゴマーク(図柄)と文字のどちらを商標登録した方がいいでしょうか?

大谷 寛大谷 寛

商標登録をした場合、商標権者には、登録した商標を独占排他的に使用できる権利(専用権)と、登録商標と類似の商標を登録権者以外のものが使用するのを禁止する権利(禁止権)が発生します。

後者の禁止権のことを考慮した場合には、文字商標よりもロゴ商標(文字商標、図形商標、記号商標等が結合した商標)、例えば、スポーツメーカーのプーマの「puma」文字と動物の「ピューマの絵柄」を組み合わせたような商標が、商標権としてはより強力な権利を発生させます。

puma

【登録番号】第582886号 【権利者】PUMA SE


この形式で商標登録した場合には、「puma」という文字商標も「ピューマの絵柄」という図形商標も、一つの商標権で保護することができます。

また、類似商標に対する禁止権も文字と図形の両方にわたる広範囲に及びますので、この観点から考えた場合、文字商標とロゴ商標のどちらでも登録できる場合には、ロゴ商標で登録したほうが有利であると思います。

ただし、商標登録は、基本的には、実際に商品や役務に関して使用する商標を登録するのが原則ですし、また、継続して3年以上登録した商標を使用しない場合には、第三者が不使用取消審判を請求することが可能になります。

商標権の効力が及ぶ範囲の拡大という観点にこだわりすぎて、実際に使用する商標と相当に異なる商標を登録した場合には、この第三者による不使用取消審判の請求が認められることによって、せっかく登録した商標を取消されてしまうこともあります。

ですので、このようなリスクを考えた場合には、実際に使用する商標が文字商標であれば文字商標で、ロゴ商標ならロゴ商標で登録するのが、一番安全な方法と言えるでしょう。

あとは、この基本原則を踏まえた上で、例えば、その商標を使用した商品や役務の取引規模の拡大に伴い、競合他社が類似商標の使用をする等の商標の使用に関するトラブルが事前に想定される場合には、上述の禁止権の効果に関することと、不使用取消審判を受けるリスクに関することの両方を考慮して、どちらの形式で商標登録をするのかを決めるのがよいと思われます。

最後にもう一つ、ロゴマークと文字のどちらで登録するかの判断基準として、ロゴマークが特徴的であるか否かということがあります。

ロゴマークが特徴的で、その特徴が対象の商品又は役務の販売に関して重要な要素である場合には、当然にそれは保護されるべきですので、ロゴマークで登録すべきです。

一方、ロゴマークが平凡である場合には、そのネーミングの方が大切になりますから、文字で登録すべきことになります。

いずれにしてもケースバイケースとなりますので、最終的な判断は弁理士に相談されるようにして下さい。

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