2018年1月31日、特許庁は静岡県産の養殖うなぎを地域団体商標として登録査定した。今後は料理店などでのブランドを統一することでブランド力強化を図りたいとしている。
(参照:静岡B級グルメ、「みしまコロッケ」が地域団体商標に登録査定

商標権者は浜名湖養魚漁業協同組合である。同組合は浜松市と湖西市両方の養鰻業者で構成されている組合だ。地域団体商標への商標出願は2006年12月であり、実に12年かけての登録実現となった。

「浜名湖うなぎ」を名乗れるのは浜名湖周辺で養殖されたうなぎのかば焼きと白焼きとなっている。商標権者である組合の直営店や直営料理店だけでなく、地元専門店にも広く商標の使用を許諾する方針という。

浜名湖におけるウナギの養殖は歴史が深く、100年以上の歴史を誇っている名産地だ。明治33年に浜名湖畔に養鰻池が造成され、浜名湖で捕獲したうなぎの幼魚を養殖するところから始まった。昭和40年代には養殖技術の向上と確立によって生産量が飛躍的に伸び、全国的に有名なうなぎの産地となっている。

この商標登録によって、ブランドのさらなる展開と強化が期待されている。

「浜名湖うなぎ」の地域団体商標登録出願が行われたのが2006年12月で、登録されたのが2018年1月ですから、出願から登録まで、約11年の時間を必要としました。

どうしてそんなに時間がかかったのかという点について考えてみると、地域団体商標として登録されるための要件の一つに、「その商標が使用された結果、自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている」必要があります(商標法第7条の2参照)が、これに引っかかったものと推察されます。

「浜名湖うなぎ」と言えば、全国的な知名度があるようにも思われますが、このブランドが地域団体商標として登録されるためには、このことについて、資料などを用いて、特許庁の審査官を納得させるような説明を行わなくてはなりません。

出願から登録までに非常に長い時間を必要としたということは、一般人が思うよりも、「浜名湖うなぎ」の知名度が低いか、「浜名湖うなぎ」の実体があいまいであったのかもしれません。

しかし、今回、晴れて登録されたわけですから、今後は、しっかりとした地域ブランドとして、安心して堂々と域外に宣伝できるようになります。