2018年1月12日、特許庁は兵庫県豊岡市出石町の「出石そば」の地域団体商標への登録を認可した。今後は歴史あるそばのブランドとして全国展開していきたい方針だ。
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商標権者は出石皿そば協同組合となっている。これからは豊岡市出石町内で生産された製麺だけが「出石そば」ブランドを名乗ることが可能となる。同組合に加盟する4社の製麺業者が生産する乾麺や半生麺が「出石そば」として全国に向けて出荷される予定だ。現在は京阪神地区へ向けて年間300万食ほどの出荷実績がある。

豊岡市出石町では300年の製麺の歴史を誇るため、関西の中でも麺どころとして有名であり、出石町外の製麺業者もこれまで「出石そば」を名乗ってきた経緯がある。店舗で提供される「出石そば」は一人前5皿での提供が一般的であり、生卵や大根おろし、トロロなどを薬味としていただける。同組合は2011年に「出石皿そば」の地域団体商標を登録済みだ。

商標法第7条の2は、地域団体商標について規定していますが、これによると、地域団体商標として登録を受けるためには、「その商標が使用をされた結果自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている」必要があります。

今回、地域商標登録が行われた「出石そば」は、毎年、京阪神地区に300万食ほど出荷されているということですが、これによって、特許庁が、需要者の間に広く認識されていると判断したため、登録査定となったものと考えることができます。

「出石そば」のように、出願時点で、ある程度の知名度を確保しているブランドの地域団体商標の登録はそれほど難しくはありませんが、もし、そうでないブランドを、地域団体商標として登録するためには、隣接都道府県などで積極的な宣伝を行うなど、知名度向上の努力が不可欠となります。