2018年8月28日、石川県加賀地方の特産品「加賀ぶどう」が地域団体商標の査定を受けた。この成功を受けて、地元ではさらなる販促促進や加工品の開発に乗り出したいとしている。 (参照:石川県、「小松うどん」が地域団体商標に登録査定

商標権者は加賀農業協同組合である。2015年11月に地域団体商標の出願を行なった。「加賀ぶどう」出願の中心となったのが、加賀商工会青年部(YEG)であった。

一定の知名度が登録には必要となるため、YEGでは広報活動を繰り広げてきた。のぼりやポスターなどを製作・設置するほか、グッズやシールの作成、果汁入りクッキーの販売などにより、宣伝に努めてきたことが評価された。

現在、加賀市内では14軒の農家が、20種類のぶどうを生産しており、それらをまとめて「加賀ぶどう」として売り出している。種類はデラウェアや巨峰、シャインマスカットなど豊富であり、本格的な収穫時期の10月を前に登録できたことはタイミングとしてもよかったといえる。

石川県内での果物の地域団体商標への登録は初めてである

特許庁が公開している地域団体商標登録の審査基準では、登録の対象となる商品が比較的低価格で日常的に消費される野菜、米、食肉、水産加工品、加工食品である場合には、都道府県を超える程度の範囲における多数の需要者に広く認識される程度の知名度があれば、登録が可能であると規定されています。

今回の石川・加賀の「加賀ぶどう」の地域団体商標登録に関しては、出願の中心となった加賀商工会青年部がのぼりやポスターの作製・設置、グッツやシールの製作等の広報活動に努めたとのことですが、そういった努力が実って、隣県までに「加賀ぶどう」の知名度が浸透したと認められたために今回の登録が可能となりました。

加賀市内で「加賀ぶどう」を生産しているのは14軒の農家で栽培面積は29ヘクタールとのことで、規模的には少し小さいような気もしますが、今回の事例は、そういった場合でも積極的なPR活動があれば地域団体商標の登録が可能なことを示唆しています。