2018年7月31日、特許庁は北海道の農産物「中札内村えだ⾖」を地域団体商標に査定した。今後はさらなる海外への輸出展開にむけて、ブランド発信力の強化を加速していく計画だ。(参照:北海道「登別温泉」が地域団体商標出願へ向けた動き

商標権者は中礼内村農業協同組合となっている。中礼内村は北海道南部、帯広市近郊のえだ豆生産量で日本一のエリアだ。昭和50年代から始まった作付けは拡大を続け、現在では年間4,000トンを超える一大生産地である。

「中札内村えだ⾖」の特徴は、収穫から3時間以内というスピーディーな製品化にある。収穫されたえだ豆は茹でられ、塩漬けされ、マイナス196℃という超低温の液体窒素と急速冷凍によって瞬間冷凍される。

そのためえだ豆本来の色味や食味を保存でき、おいしいえだ豆を消費者に届けることが可能となっている。この3時間以内の製品化を実現させるため、農道整備や立ち木枝の管理、ハーベスターが旋回するスペースの確保などを工夫している。

今回の査定により、北海道での地域団体商標は30件となった。

中札内村で枝豆の生産が始まったのは意外と新しく1992年です。当時は48農家23ヘクタールが参加し作付けが始まりました。中札内村の枝豆が大きく変わったのは2005年です。この時大規模瞬間冷凍設備が設置され、これにより2004年に5,000万円の生産高が2008年には3億5,000万円に増加しました。

近年は国内のほとんどすべての都道府県に出荷されており、居酒屋などでもよく利用されています。海外への売り込みも成功し、ロシア、アメリカ、中国、シンガポールなどへも輸出されています。

中札内村では、枝豆カレー、枝豆シフォン、枝豆ソフト、枝豆コロッケなど枝豆を使った食品が次々に生み出されて、枝豆は中札内村のシンボル的な存在となっています。

今回、中礼内村農業協同組合によって出願された「中札内村えだ⾖」が地域団体商標登録されたわけですが、この登録によってブランド力がより強化され、「中札内村えだ⾖」の生産及び販売がますます今後発展することが予想されます。