2018年6月26日、農林水産省が「農泊」の商標専用使用権の設定と商標出願を行なった。今後は商標の保護と共に、適正な商標の使用を管理することとなる。(参照:農林水産省 地理的表示(GⅠ)保護制度に向けた初の有識者会議を開催

「農泊」は、NPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会会長の宮田静一氏が第43類における商標を登録したブランドである。この度農林水産省はこの商標の専用使用権の設定を受け、それ以外の全分野において「農泊」の商標出願を行なった。

今後は「農泊」という文字を使用するには農林水産省の使用許諾が必要になる。ただし、商標の使用料は無料であり、関係省庁や地方自治体が農泊推進に使用する場合や報道機関が報道を行なう場合、また研究機関が学術目的で使用する場合には許諾申請は不要となっている。

農泊とは、農山漁村滞在型旅行の略であり、旅行者に日本の伝統的な農村や漁村の雰囲気を味わい体験してもらえる旅行の企画となっている。

農家民宿や古民家などへの宿泊に呼び込むことで農山漁村の所得向上を目指していく。

ほとんどの商標登録は、会社や営業を行う個人によって行われますから、国の機関である農林水産省が商標登録を行うことは異例なことです。

今回、農林水産省が「農泊」の商標登録を行った目的は、「農泊」というブランドの適正な管理を行うためということですが、それは、「農泊」というブランドを使って一般企業などが勝手に事業をされると、「農泊」のブランドイメージが損なわれることになるわけですが、それは国益を損ねるということを意味します。

言い換えると、「農泊」のブランドイメージが損なわれることは、日本のイメージが損なわれることにつながるということです。今回、農林水産省が「農泊」の商標登録を行ったことで、「農泊」に対する国の意気込みを感じることができます。