事務所を移転して芸能活動を再開すると発表していた元モーニング娘。の加護亜依について、前所属事務所が「加護亜依」の名前を商標登録しており、同じ芸名で継続して芸能活動を続けるならば道義的責任を追及する構えであると2013年8月20日に発表した。
(参照:著作権?商標権? なにかに似てるAKB48総監督の高橋みなみのイラスト)

商標が登録されたのは2009年12月21日のことで、同事務所の主張によれば2017年まで有効だという。芸能人やスポーツ選手、文化人などは活動がサービスとみなされるため、名前を商標登録することができる

「加護亜依」の名前はもともと父方の姓であり、本人にとっては本名だった。しかし、商標を登録した時点で母方の池田姓を名乗っていたので、本名ではなかったというのが事務所の主張だ。

事務所を移った後の2011年に再び加護姓に戻し、現在は「加護亜依」が本名となっているという。この理由から本人も本名だから商標に関係なく使えると主張している。

前所属事務所は、本人だけでなく、彼女を起用したテレビ局などのメディアに対しても芸名の使用料を請求する構えだ。

この件に関しては、事務所側の分が悪いのではと思います。

商標法では、氏名に関して様々な法律が規定されています。例えば商標法第4条第1項第8号(商標登録できない商標に関しての規定)、他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)、商標法第26条第1項第1号(商標権の効力が及ばない範囲の規定)、自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標などがあります。

特に商標法第26条の規定に鑑みると、本名を使用している加護亜依に対して商標権の効力は及ばないのではないかと思います。

商標登録後に名前を変更したことに関してですが、商標権によって自己の氏名を使用する権利を阻害されることを排除する規定ですから、商標登録前から本名であっても、登録後に本名となってもそれは問題にならないのではないかと思います。

商標登録後に生まれた子供に(将来自由に使えないことを考えて)商標登録されている名前を付けないというのはおかしい話ですよね。

以上より、事務所側の主張は無理があるのではないかと私は思います。事実は訴訟などになって結果がでないと分かりませんが。