2017年8月8日、特許庁は福岡県産の漁獲類「鐘崎天然とらふく」を登録査定した。登録権者は宗像漁業協同組合となっている。
(参照:福岡県大川市の伝統家具「大川家具」が地域団体商標に

「鐘崎天然とらふく」は冬季の玄界灘で宗像漁業協同組合に所属する鐘崎ふくはえ縄船団が捕獲した天然トラフグのことを指す。今後はこの商標を使用できるのは、福岡県宗像市鐘崎で水揚げされた天然のとらふく(生きているものを除く。)および福岡県宗像市鐘崎で水揚げされた天然のとらふく(生きているものに限る。)となる。

天然資源を枯渇させないためにも漁協による自主規制や種苗放流などを行ない、安定的な供給量の確保に向けて努力を傾けている。

高級和食料理として親しまれているトラフグは、福岡の地元料亭をはじめとして東京などの料亭や飲食店へ出荷されている。伝統の食べ方に基づき、「てっさ」「鍋」「唐揚げ」「焼きふく」「ひれ酒」「白子酒」など各種料理で珍味を堪能することができる。

今回の「鐘崎天然とらふく」登録査定で、九州地方での地域団体商標の登録査定は「熊本いきなり団子」に続いて81件目、全国では624件目となっている。

鐘崎天然とらふくは、漁協直営の加工施設を通じて、地元のみならず、東京等都市圏の料亭や飲食店に出荷されています。特に、都市圏の高級料亭などでは、ブランドにこだわる料理人が多いため、ブランドを付けた食材の高値取引が行われています。

そうすると、ブランドをつけることで、大きな利益を上がることができる半面、ブランドを冠した商品の品質を維持することも非常に重要となってきます。

地域団体商標登録を行うと、悪質な業者が、外国産の安物のふくを「鐘崎天然とらふく」のブランドで販売した場合、法的な対抗措置をとることができます。

ブランドにとって一番困るのは、そのブランドを冠した品質の悪い偽物が流通することで、ブランドの信頼が失われることですが、地域団体商標登録をすることによって、そのような事態を防ぐことができます。