2018年3月30日、調味料大手メーカーのキッコーマンのしょうゆ卓上びんを立体商標として登録した。容器の形状をひと目見ただけで「キッコーマンのしょうゆ卓上びん」と広く認識されていることが公的機関により認められた形だ。 (参照:「ジャポニカ学習帳」が立体商標登録、ノートとして全国初

日本の特許庁は、文字やロゴデザインだけでなく、さまざまな形態の知的財産を商標として認可するようになった。音商標や色彩商標なども次第に増えている中で、形状そのものを商標として登録査定するのは数少ない事例となっている。これまで立体商標として登録された事例としては、コカ・コーラのガラス製ボトルやヤクルトのプラスティック容器がある。

キッコーマンのしょうゆ卓上びんは工業デザイナー、故・榮久庵憲司(えくあんけんじ)氏によって設計のうえ1961年に発売された古い歴史を持つ。これまで50年以上の間デザインを守りつつ、世界の100か国以上の国で総計5億本以上が販売されてきた、定番の品である。

米国や欧州などですでに立体商標として登録されている実績がある。

キッコーマンといえば、六角形に萬の入ったマークが有名で、当然、このマークは商標登録されていますが、今回は、あの卓上びんの形状が、立体商標として登録されました。最近は、ペットボトルの醤油びんもだいぶ多くなってきましたが、以前は、どこでも、あの独特の形をした醤油びんがみられました。

確かに、醤油会社は数多くあるのですが、あの形状の醤油びんには、常に、キッコーマンのマークが印刷されており、消費者が容器の形状からキッコーマンを認識するという事実があったことは、間違いないと思います。あの形状の醤油便にキッコーマン以外の醤油会社の商標が印刷されているのを見たことがないので、当然、卓上びんは意匠法上の保護を受けているものと思っておりましたが、意匠登録はされていないようです。

今回、卓上びんが立体商標登録されることによって、他の醤油会社が勝手にあの形状の醤油びんを使って醤油を売りはじめたら、商標権者は、商標法に従って販売禁止や損害賠償の請求ができるようになります。意匠法による保護がないまま、今まで、よく類似製品の問題に悩まされずに済んだものだとも思いますが、今後は、法的保護が受けられるので、安心です。