2018年4月10日、中国経済産業局は同地域の複数の地域団体商標がお互いにコラボし連携を図るためのコラボ事業の展開につき報告した。地域ブランド同士の相互作用を促進すると共に、現在地域団体商標を目指している事業者、地域ブランド化に取り組んでいる事業者への追い風になると期待されている。 (参照:特許庁、「地域団体商標ガイドブック2018」を発行

中国経済産業局管轄内で地域団体商標に登録されている地域ブランドは複数あり、単独でブランディングを図るだけでなく地域内の相互作用を活用するコラボレーションによって相乗効果が期待できるとされている。そのため、「平成29年度地域ブランドコラボレーション事業」が展開されてきた。

実施された事業内容としては、研究会としてキックオフセミナー、現地研修会、地域ブランドコラボレーション研究会が開催され、成果報告会も実施された。現地研修会では4団体でマッチングが成立し、玉造温泉とおのみち帆布、大山ブロッコリーと長州黒かしわの2チームのコラボレーションが開始された。

前者においては、玉造温泉が持つイメージをおのみち帆布が製造し実現するという形でコラボレーションが行なわれた。後者においては、大山ブロッコリーと長州黒かしわを共に使ったレシピを作り、情報発信していくこととなった。

地域団体商標は、取得することだけに目が行きがちですが、地域団体商標の目的は、地域ブランドを確立し、そのブランドを利用した商品・サービスの販売拡大を通じて、地域産業の発展に貢献することですから、取得よりも、むしろ、取得した後の活用の方が重要であると言えます。

中国経済産業局が行ったアンケート調査でも、地域団体商標は、取得しただけではその効果は限定的で、活用してはじめて、期待通りの、又は、期待以上の効果が得られるといった結果が報告されています。

地域団体商標同士のコラボレーションはPR効果が高く、また、それぞれの販路を生かすことができるので、展開上のメリットが多いと考えられています。その考えに基づき、中国経済産業局管内で「平成29年度地域ブランドコラボレーション事業」が実施されました。

こういった、地域団体商標同士のコラボレーションは、他の地域の地域団体商標権者にも影響を与えると思われ、今後、全国的に展開される可能性があります。