2016年4月13日、知的財産高等裁判所は腕時計ブランド「フランク三浦」の商標登録を有効と判断した。特許庁が無効とした商標登録を一転、有効との判決が出されたことになる。
(参照:知財高裁、タニタの体脂肪計「DualScan」の商標を無効と判決

2012年、大阪の時計製造販売会社は「フランク三浦」を商標登録したものの、スイス高級ブランド腕時計「フランク・ミュラー」が特許庁に対して商標登録無効審判を請求した。2015年9月、特許庁は登録無効を決定、それに対してフランク三浦側は特許庁の審決を取り消す訴えを知財高裁へ求めていた。

判決は「全体の語感が似て紛らわしいが、外見などが異なり、明確に区別できる」と述べている。文字盤の数字の形や色など類似した部分もあるものの、中央のブランド名には「フランク三浦」とあることから、日本人を連想させると判断された。

また、フランク・ミュラーは100万円を上回る価格に対して、フランク三浦は数千円と安いことから混同は考えられないため商標登録は有効との判断がくだった。

今回の裁判では、「フランク・三浦」の時計は数千円台、「フランク・ミュラー」の時計は100万円以上が相場なので、消費者が誤認するわけはないとされ、「フランク三浦」の商標登録が有効であるとの判断がなされました。

パロディと被告が認めているから商標登録が無効だと判断するか、パロディでも消費者が誤認する可能性が低ければ商標登録は有効と判断するかは、非常に微妙だと考えられますが、今回の裁判官は後者の考えを取りました。

この裁判の結果、高級ブランドのパロディの商標出願が増える可能性がありますが、この判決が今後の商標出願にどのような影響を与えるかが注目されます。