2020年12月3日、音声メディア運営会社Voicyは商標「ボイスメディア」の権利をオープン化すると発表した。今後は「ボイスメディア」という言葉が広く定着し、音声サービスが社会に浸透していくことが期待されている。 (参照:特許庁 商標権管理の仕組みを2017年4月より改定

商標権者は株式会社Voicyとなっている。人々の声を録音された音声によって届ける「声のブログ」ともいえるサービスがVoicyである。この音声を中心としたメディアを広めるために同社は2016年8月26日に「ボイスメディア」を商標登録した。

ここ数年で音声マーケットが拡大するのに伴って「ボイスメディア」を利用したいとの意見がさまざまなメディアから聞かれるようになり、さらなる発展のためにこの商標権利をオープン化することとなった。

利用者は「ボイスメディアはVoicyの登録商標」との文言を記載することで自由に利用できる。今後、音声コンテンツを発信するパーソナリティに収益が還元されるサービスも始まることになり、さらなる発展が期待されている。

商標の登録がなされた商標を合法的に商標権者以外の者が使用できるのは、その者が、商標権者とライセンス契約を締結した場合に限られるのが原則です。商標権におけるライセンス契約には、設定行為で定められた範囲内で独占的に登録商標の使用を許可する専用使用権が設定されるものと、設定行為で定められた範囲内で非独占的に使用を許可する通常使用権が設定されるものに分類されます。

しかし、今回の株式会社Voicy の「ボイスメディア」については、使用に際して「ボイスメディアはVoicyの登録商標」との文言を記載すれば、ライセンス契約を締結することなく、誰でも、当該商標を自由に使用できるというユニークなものです。こういった手法は、商標権のライセンスの新しい形として注目されます。