2021年1月19日、特許庁は「温泉ハンドクリーム」を商標登録した。地元温泉のブランディングアップと観光客誘致を目指している。 (参照:沖縄の具志川商業高校、地域ブランド総選挙に参加

商標権者は石川県立大聖寺実業高校となっている。同校では知的財産権の授業の一環として、実務体験をするために実際に商標登録を出願をした。県発明協会に問い合わせをし、弁理士が行なう業務を実体験して商標登録までこぎつけた。この「温泉ハンドクリーム」は2019年10月に商標出願され、今回の登録査定となった。

「温泉ハンドクリーム」自体も同校情報ビジネス科の課題研究として開発され、金沢市の化粧品メーカー「ケイズ」が商品化した。同商品は地元片山津温泉の源泉を使用したハンドクリームであり、オレンジやクレープフルーツの香りが爽やかな商品となっている。商品、パッケージともに同校生徒の作となり、地元の雑貨店や温泉旅館で販売されている。

同校では以前にも「加賀三湯ゆめぐり」という入浴剤を商標登録しており、今回が二例目である。

今回の事例の特徴は、実業高校のビジネス科の生徒が出願し、商標登録に漕ぎ付けたという点にあります。「全国地域ブランド総選挙」など、大学生が商標ブランドに関わるケースはそれほど珍しくないのですが、高校生がそれに関わる機会は、まだまだレアケースだと言えます。

しかし、将来的にビジネスに関する職業に就く予定ならば、商標ビジネスに関わることは、高校生だから早すぎるということはありません。ビジネスは良い商品やサービスを提供するだけでは不完全であり、成功するためには効果的に広告宣伝を行うことが必要です。

その中でも、商品・サービスの良さを消費者に強く印象付けることができるネーミング(ブランド)が非常に重要であるということを知っておくことは、今回商標登録を行った石川県立大聖寺実業高校の生徒たちにとって、大きなプラスになることでしょう。