2018年9月10日、青森県畜産農業連合会は「あおもり和牛」が地域団体商標に登録されたと発表した。激化する国内産和牛において確かな地位と評判を得るのに期待がもたれている。 (参照:青森県 青森空港除雪隊「ホワイトインパルス」を商標登録

「あおもり和牛」は青森県産の黒毛和牛が対象となっている。厳密にいうと倉石牛や三戸・田子牛、十和田湖和牛など県内産のさまざまな黒毛和牛ブランドの総称である。

これらの牛を生産するにあたっての中心的な役割を担っているのが、青森県畜産研究所の和牛改良技術部である。和牛育成には欠かせない交配用オス牛の研究を行ない、これらの牛たちの子どもに当たる子牛が県内の畜産農家で育てられているのだ。

ひと口に「あおもり和牛」とはいっても、特色や強みはそれぞれ持ち味を持っている。五戸町で生産されている倉石牛は、古来から畜産がさかんな地域でさらに研究を重ねたうえでブランドをしっかりと確立しており、県外への販売数が豊富だ。

田子町で生産されている田子牛は、豊富な湧き水で育てられた和牛であり、ジューシーでヘルシーな高級肉を生産している。

和牛と言えば「松坂牛」や「神戸牛」等が全国的な知名度を獲得しています。全国どこでも和牛は生産されていると思いますが、青森県が和牛の生産が盛んだということはあまり知られていないというのが実情でしょう。

今回地域団体商標登録が行われた「あおもり和牛」を構成する「倉石牛」「三戸・田子牛」「十和田湖和牛」などは青森県内では知名度があるかもしれませんが、それ以外の地域の方であれば知っている方は非常に少ないと考えられます。

和牛の世界でも産地間競争が激しくなってきていると言われていますが、知名度のない和牛を東京や大阪等の大消費地で販売するとなると大きな努力が必要になります。しかし、地域団体商標登録をすると地域ブランドの知名度が急に上がります。大消費地での販売も行いやすくなることは間違いありません。

今回の地域団体商標登録を機に「あおもり和牛」の生産・販売がより活発に行われるようになることが期待できます。