2018年9月5日、鹿児島県霧島市で生産されている「霧島茶」が地域団体商標に登録された。伝統ある茶葉がますます広く知られ、ブランド力を高めることが期待されている。 (参照:鹿児島県のゆるきゃら 「ぐりぶー」 商標登録完了で本格的にPR活動へ

商標権者はあいら農業協同組合となっている。今後は「霧島茶」という名称を使用するには、あいら農業協同組合による認可が必要となる。霧島茶は700年の伝統を誇る由緒正しい茶葉である。古くは西暦1319年に宇治から茶種子が到来し、栽培製茶法を伝授されたのが始まりと言われている。

鹿児島県霧島市は標高0メートルから1,700メートルという高低差がある産地であり、高千穂峰などで有名な霧深い気候が味わい高い緑茶を育てることで知られている。山地に特有の寒暖差の大きな気候と、朝夕の霧が日光を遮ることで上質な茶葉が育つ産地となっている。

今回の登録で鹿児島県内の地域団体商標は81件となり、日本各地の名産品をブランドとして定着させる役割を担っている。

最近、地域団体商標がブームとなっていますがその背景の一つとして考えられるのは産地間競争が激しさを増していることです。特許庁が公開している2018年地域団体商標ガイドブックに記載されている「お茶」の地域団体登録商標は全国で16ブランドあります。

その中には「静岡茶」や「宇治茶」のように古くから名の通ったブランドもあれば、地域名の入った名称を見て初めてその地域がお茶の産地だったことが分かるようなブランドもあります。九州だけでも6ブランドあり、そのうちの2つは鹿児島県の「かごしま知覧茶」と「知覧茶」です。

地域団体商標に登録されるとお茶の特徴や製法等が全国的宣伝されますから、ライバルの産地が地域団体商標登録をしているのに自分が登録していないと、産地以外の場所で販売する際に不利な立場に立ちます。

もちろん地域ブランドの知名度を上げて産地を活性化することが地域団体商標登録の最大の目的であることは間違いありませんが、このご時勢では産地間競争で遅れを取らないようにするためにもその登録は必要になってきます。