2015年11月、青森県は空港除雪隊の愛称「ホワイトインパルス」を商標登録した。青森県の冬季観光PRに役立てたいとしている。
(参照:青森県・陸奥湾産の「横浜なまこ」、地域団体商標に登録

「ホワイトインパルス」は、青森空港の除雪をする除雪隊の愛称である。同空港は国内でも有数の積雪量の多さで知られ、年間積雪量は10メートルを超える。それが、約55万平米の広さの空港に降るのだ。

積雪が一定量を超えたり、滑りやすくなると離発着に支障をきたすため、運航便の合間を縫って除雪することが必要となる。「ホワイトインパルス」は全長3000メートルの滑走路や駐機場をわずか約40分という速さでで除雪でき、国内でもトップクラスの除雪スピードと技術を誇る。

青森県はこの除雪隊を航空自衛隊の「ブルーインパルス」になぞらえ、この愛称を付けた。商標の指定商品は化粧品、サプリメント、文房具類、衣類・靴類、玩具、食品 類、飲料となっていて、申請することで無料で商標利用ができる。青森空港の利用促進はもとより、青森県の冬季観光につなげたいとしている。

商標登録は、自社ブランドの保護により、売り上げの減少等を防止するという企業の営利目的で行なわれるというイメージが強いのですが、今回の青森空港除雪隊「ホワイトインパルス」の商標登録は、青森空港のイメージアップという公益の観点から行われております。

「ホワイトインパルス」の指定商品が、化粧品、サプリメント、文房具類、衣類、玩具等となっていることから、商業目的でも使用されますが、商標権者である青森県は、申請があればこの商標を無料で利用できるようにするとのことで、その意味では、全く非営利の商標登録ということができます。

今回の「ホワイトインパルス」の商標登録は、企業の営利追求という観点からではなく、地域や公共施設のイメージアップという観点で行われることもあるということを示す事例でした。