愛媛県今治市のPRキャラクターに、鳥をモチーフにしたゆるキャラ、「バリィさん」がいる。2012年11月に行われた「ゆるキャラグランプリ2012」で見事1位に輝いた、全国的にも認知度の高い人気キャラクターだ。
(参照:滋賀県彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」写真の商標使用解禁へ)

バリィさんはもともと、今治名物の焼き鳥にちなんで作られたゆるキャラで、生みの親は市などの地域団体ではなく、今治市に拠点を置く第一印刷株式会社である。同社は今治地方観光協会のウェブサイトを管理しており、4年前にそのサイトで使うためバリィさんを製作した。

バリィさんの著作権や商標権は同社が今でも持っている。関連グッズはクオリティを維持できるよう吟味し、企業である性質上、利益として使用料を得て商標の許可を出している。しかし、ほかの「くまモン」(参照:ゆるキャラで有名な「くまモン」の商標の使用料はいくら?)などのゆるキャラと比較し、地域振興のために市民が自由に使用できないことに疑問を露わにされることも多いようだ。

ゆるキャラグランプリに出場した際は、地元のキャラクターを応援しようと市長や県知事も市民に投票を呼びかけた。市民は町興しになるという期待を持って投票したが、実際人気になってみると、自由に使用できず、使用料も取られ、町興しとは言えない現状に不満を感じるようだ。

著作権や商標権に対する理解が欠けていたのも大きな問題であるが、両者の考えの間に存在する溝は深そうだ。

またまたゆるキャラネタですね。最近商標とゆるキャラに関連するニュースが多いですね。

さて、今回はバリィさんの著作権者及び商標権者が市区町村でなく、1企業であるが故の問題です。問題というわけではなく、権利者からすれば使用料等を貰うのは当然のことですし、有名になったのは権利者の努力の成果でもあるわけですから、それに便乗したいのであれが使用料を支払うというのは当然のことです。他のゆるキャラは自由に使えるのにと思う気持ちは分かりますが、市が自由に使わしたいと思っているのであれば、著作権や商標権を権利者から譲り受ける必要が出てきます。

今までとは違うパターンなので困っているのかもしれませんが、知的財産に対する知識があればいくらでも対応する方法があります。「市民は町興しになるという期待を持って投票したが、実際人気になってみると、自由に使用できず、使用料も取られ、町興しとは言えない現状に不満を感じるようだ。」とありますが、市民の不満は市で解決すればいいと思います。ニュースを見る限り権利者側に問題は感じませんので、市を挙げて応援する前に市が予め権利者との間でしっかりとした契約をしておくべきであった、つまり、市の(担当者の)知的財産に対する知識の欠如が問題だと思います。

私自身は「バリィさん」を知りませんが、ある程度の知名度を得ているのであれば、今から新しいキャラクターを用いて町興しを考えるより、知名度を得たキャラクターを用いる方がずっと費用も労力も削減できるので、今後の市の対応を注視したいと思います。