2018年3月9日、九州経済産業局と特許庁は「九州地域ブランド総選挙」を開催する。九州におけるブランド促進を目指している。
(参照:九州ブランド展開のカギは商標の活用

この取り組みは地域団体商標のさらなる活用を促進するものとして企画された。対象は、一般消費者、地域団体商標の登録を目指している、または検討している団体、そしてすでに地域団体商標を取得した商標権者となっている。

地域団体商標という制度の普及や知名度向上を図るとともに、地域団体商標のさらなる活用が目的だ。

参加する15チームはすべて商標権者と県内大学生の合同チームとなっている。総選挙は2つのステージによって争われ、ファーストステージでは無料の写真共有アプリケーションである「Instagram」上でのブランドの魅力発信により競われる。

「Instagram」の「いいね!」総数により選抜された10チームがセカンドステージへと進み、3月9日の総選挙におけるプレゼンテーションにおいて地域団体商標の魅力がアピールされていく。

地域団体商標を登録したブランドの魅力と、大学生の斬新かつフレッシュな発想で、ブランドの活用における突破口が開かれることが期待されている。

地域団体商標の登録件数は、平成30年2月20日現在で636件と、相当な数に上っています。登録件数が増加することは悪いことではないのですが、ただ件数が増加するだけだと、全体のレベルの低下が懸念されます。

そういった中で、九州経済産業局と特許庁がコラボで開催する「九州地域ブランド総選挙」のような企画は、九州地域に限定されますが、地域団体商標制度の全体のレベルアップを図り、件数増加による中だるみを防止する上で、非常に良いことだと言えます。

地域団体商標は、地域の特産物を、その地域を枠を超えて、より広域的に宣伝する際に、非常に有効なツールになります。しかし、この地域団体商標をより効果的に活用するためには、他の登録権者との情報交換や、より効果的な宣伝方法に関する研究が不可欠です。

そこで、このような企画を利用し、九州各地の地域団体商標登録権者が切磋琢磨することで、この地域の地域団体商標の活用のレベルが大きく向上することが期待できます。