2019年2月21日、キリンはチューハイの缶デザインを立体商標に登録すると発表した。今後もダイヤカット缶と缶チューハイ「氷結」のブランド展開を推し進めていくこととなっている。 (参照:株式会社マーナ 「おさかなスポンジ」が立体商標に登録

キリンビールが販売している缶チューハイ「氷結」の缶デザインである。「ダイヤカット缶」と名付けられた、三角を組み合わせたデザインの缶となっている。まるで氷がザクザクしているような印象を与えるデザインは、冷涼感溢れる現代的なチューハイとのコンセプトに合っており、爽快感たっぷりで人気が高い。

今回の商標登録は立体形状を登録する立体商標であり、それも文字や図形が表示されていない包装容器としての登録だ。缶チューハイ「氷結」はキリンビールが2001年に販売開始し、19年間で130億本(250ml換算として)を売り上げた、大ヒット商品である。

立体商標は1996年の商標法改正以降、出願や登録が可能になった知的財産権であり、これまでヤクルト容器やコカ・コーラ瓶が登録された。

単なるダイアカットの形状であれば、意匠登録をすることで他者の盗作を防ぐことができます。しかし、意匠権には、登録から20年間という権利期間が設けられていて、登録から20年間が経過すると、他者の盗作を防止することができなくなります。その点、商標登録は、10年ごとに更新の手続きを行えば、半永久的に法的な保護を受けることが可能です。

氷結は発売から19年間が経過しているわけですが、発売当初からダイアカット缶が使われており、発売と同時に意匠登録がされていたとすれば、そろそろ意匠権の有効期間が切れる頃です。立体商標登録がされれば、今後は、半永久的にダイヤカット缶を使って競合他社がお酒を販売することを防止することができます。

キリンが、このことを意識して立体商標登録を行ったかどうかはさだかではありませんが、立体商標登録には、意匠権の権利期間が経過した後のデザインを競合他社の模倣から保護する効能もあります。