2018年12月14日、特許庁は食器洗いスポンジを立体商標に登録した。食器洗い用スポンジが立体商標に登録されたのは、日本初となる。 (参照:ソフトバンク、「ペッパー」君の形状を立体商標として登録

商標権者は生活雑貨メーカーの株式会社マーナとなっている。同社製作のキッチン用スポンジ「おさかなスポンジ」の形状デザインを、知的財産権として登録し保護することになる。魚のような細長い形状をした食器洗い用スポンジとなっている。

この「おさかなスポンジ」の形状を見れば多くの人がマーナの食器洗い用スポンジだと認識している、と認められたため、商標審査が下りたことになる。商標登録は指定商品第21類「食器洗い用スポンジ」に分類されている。

「おさかなスポンジ」は1998年にアイテム数1個で発売開始し、その後ラインナップを増やしながら15色となり20年売れ続けている。手に持ちやすい細長い形状が、実はコップを洗う際に底までしっかり届いて洗うのにも役立っている。

ナイロン不織布、ウレタン、脱膜ウレタンの3層構造が食器洗いに最適の性能を引き出していると好評だ。

今回の立体商標登録の重要なポイントは、おさかなの形をした食器洗い用のスポンジを見て、多くの方々が株式会社マーナの商品であると認識しているという事実が、特許庁に認められた、ということです。

商標には、出所表示機能(商品の製造者を表示する機能)、自他識別機能(その商標により、消費者が何人の業務に係る商品であるかを認識できる機能)、広告宣伝機能の3つの機能があります。

立体商標として認められるためには、その商品の形状が、上記の機能を有していると認められる必要があります。

「おさかなスポンジ」は形状がユニークですので、消費者には覚えてもらいやすい商品であることは間違いないのですが、それでも、その形状のみで、商標として認められるほどの機能を有するに至るまでには、やはり長い時間が必要でした。

「おさかなスポンジ」は昨年発売から20周年を迎えましたが、発売から立体商標登録まで20年以上の年月が必要だったことになります。形状を見ただけで消費者がその商品名や製造メーカーを思い浮かべることができるというのは、メーカー側としては非常に有難いことですし、貴重なことでもあります。

その貴重な価値を保護するのが立体商標権であるということができるでしょう。