2019年2月8日、岡山県井原市の「井原デニム」が地域団体商標に登録された。今後はハイクオリティなデニム市場の拡大を目指していく。 (参照:便乗商法予防のため「輪島朝市」を地域団体商標に

商標権者は井原商工会議所となっている。今後は備中織物構造改善工業組合に所属する企業が「井原デニム」の商標を使用できることとなる。2017年には「井原デニム審議会」を設立した。縫製、加工、仕上げにおいて一定の基準を満たした優れた製品を井原デニム地域ブランドとして認定している。

地元では「綿いっぱい運動」というプロジェクトを促進、地元住民の協力を得て育てた綿花を使ってデニム生地を生産し、住民にトートバッグを作ってもらうプロジェクトを通して、デニム産業について啓発を行なっている。

井原市はデニム繊維の日本有数の産地として有名だ。国内のデニム生地の90%が、この岡山県井原市を中心とする備中地域、および隣り合わせた広島県福山市を中心とする備後地域で生産されている。

特に「井原デニム」のインディゴブルーの色合いは世界でも最高ランクの評価を受けている。

最近は海外製の安価な衣料品の流通で、国内の衣料品製造業者は大きな打撃を受けていますが、そういった状況下にあっても、一部の事業者は元気に営業を続けています。そういった事業者に共通するのは、大量生産の安物の海外製品にはない、国産ならではの特色を備えている衣料品を製造・販売していることです。

逆から言えば、そういった国産であるという独自性・優位性を強調できれば、十分に海外製品に対抗できるということになります。

今回、地域団体商標登録がなされた「井原デニム」は、縫製・加工・仕上げにおいて一定以上の水準を保ち、世界最高ランクの評価を受ける色合いを持っているので、海外製品に対抗できる国産の独自性・優位性を持っている製品です。地域団体商標登録がなされると、当該ブランド下で流通する製品の水準を統一することで安心してブランドが使用できるようになり、また、地元の生産者にまとまりができます。

このように、地域団体商標登録制度は、地場産業の維持・発展に大きく貢献しています。