2019年1月22日、輪島市朝市組合は通常総会で「輪島朝市」の地域団体商標の登録出願の意向を固めたいとしている。知的財産権保護を行なうことで、便乗商法を防ぎたい考えだ。(参照:輪島市、千枚田で収穫された米「日本農業の聖地」が商標として認定

これまで、組合員ではない業者が岐阜県内において「輪島朝市」を名乗り営業していた経緯がある。今後、2020年東京五輪の時期には世界から日本が注目されるため、便乗商法を警戒している。

地域団体商標に登録されれば、会員だけが「輪島朝市」という名称を商用利用することができる。組合では、組合自体が任意団体のため登録出願ができないことから新たにNPO法人を設立したいとしており、仮称「輪島朝市文化振興協議会」の設立を計画している。

新規に立ち上げるNPO法人は輪島市朝市組合の傘下で活動することになり、商標出願や管理業務を担う予定だ。

輪島朝市は平安時代に始まったとされる、由緒ある朝市だ。日本三大朝市として千葉県勝浦市の勝浦朝市や岐阜県高山市の宮川朝市と共に知名度も高く、毎年約六十万人の客で賑わっている。

日本政府は、2017年9月から2018年6月までの間に8回の「観光戦略実行推進タスクフォース」を開催し、2020年に訪日外国人旅行者数4,000万人等の目標達成に向けて様々な政策を実施中です。従って、今後、ますます日本各地を訪れる外国人観光客の数が増加するものと予測されます。

日本人であれば、石川県の能登半島の先端部分に位置する輪島市の「輪島朝市」が、岐阜県で開催されていれば、ニセモノであるとすぐに気が付きます。しかし、日本の地理に詳しくない外国人観光客の場合には、岐阜県内で偽の輪島朝市のブランドを使った営業が行われていても、何の違和感も感じないと思います。外国人観光客の増加に伴い、それを狙ったこの手の偽ブランド商法が多発することが予想されます。

そんな中で、便乗商法予防のため(仮称)「輪島朝市文化振興協議会」が「輪島朝市」の地域団体商標登録を計画していることは、正鵠を得た動きであると言えます。