2019年1月16日、栃木県知事は県開発の新品種白イチゴの商標出願をしたと発表した。出願した3つの商標の中からひとつを選んで、新しいブランドとし、2020年冬の販売開始をする予定だ。 (参照:栃木県が商標登録したいちごの新品種名「スカイベリー」。無料で使用可能に

商標権者は栃木県となっている。出願した商標は「ゆきおとめ」「ホワイトプリンセス」そして「ミルキーベリー」となっている。同品種は栃木県いちご研究所が開発した新品種の白イチゴで、農林水産省へ「栃木iW1号」という名称で品種登録した。ブランド名は公募に応じて集まった3155件から選定し出願した。

県知事によるとこの白イチゴは完熟キウイフルーツのような味がするという。既存の赤いイチゴと組み合わせて「紅白イチゴ」として売り出したい考えだ。栃木県は50年連続してイチゴの生産量が日本一というイチゴ生産地である。

白イチゴはすでに10品種が開発されてきたが今回の新品種はその中でも特に粒が大きく、色が白いのが特徴だ。

栃木県は日本一のイチゴの産地であり、また、日本で唯一のイチゴ専門の研究所「栃木県いちご研究所」が所在します。日本国内で流通するイチゴ品種の中でシェア1位を誇る「とちおとめ」や、1粒60グラムと、鶏の卵を上回ることもある大きさが自慢の「スカイベリー」は、全国区の知名度を有しています。このように、栃木県産のイチゴは、栃木県内だけでなく、日本全国、場合よっては海外市場までをその商圏としています。

栃木県産のイチゴが非常に広い地域を商圏に持っているということは、それだけブランド戦略も重要となってくることを意味しています。品種登録をするとこで、栃木県のイチゴ農家以外が交配で「栃木iW1号」の類似のイチゴを勝手に作ることは禁止できますが、それだけでは不十分です。

この他、栃木県産のイチゴブランドを使って、質の悪い別のイチゴが流通することを防がなくてはなりません。それをするのが商標登録となります。栃木県産のイチゴブランドには非常に強力な力があります。これを盗用しようと企てる者も後を絶たないと思います。

商標登録をしっかりすることで、そういった動きを封じることができます。