2018年11月22日、ソフトバンクは同社のヒト型ロボット「ペッパー」君の立体形状を立体商標として登録した。国内における類似品や模造品の広がりを防ぐ狙いがある。 (参照:スナック菓子「きのこの山」、立体商標として登録

商標権者はソフトバンクロボティクスグループとなっている。「ペッパー」は胸部にタブレットディスプレイ、脚部に3基の車輪を搭載し、AI知能により人間と対話ができるヒト型ロボットだ。最近は中国などで類似型のロボットが出回っており、国内への流入が懸念されていた。

この立体商標の登録により、国内への輸入や流通を防ぐ狙いがある。一般家庭用として、また飲食店での接客用として1万体以上が出荷済みである。「はま寿司」などにおいて接客用ロボットとしてすでに活躍を始めている。立体商標は、商品の外観や形状を知的財産として登録する制度である。

これまでキッコーマンのしょうゆ卓上瓶やコカ・コーラの瓶、ヤクルトのプラスチック容器などが立体商標として登録されている。

「ペッパー」という文字標章であれば当然にソフトバンクの方で商標登録を行っていますが、今回、登録されたのは立体商標なので、「ペッパー」という文字ではなくロボットの立体形状が登録された形になります。

中国ではペッパー君の類似ロボットが出回っているようですが、その類似ロボットが日本に流入した場合、単に文字商標の登録を行ったいるだけでは、例えば、そのロボットが「タロウ」などという名前であった場合、法的な対抗措置を取ることができません。

立体商標としてロボットの形状を登録しておけば、そういった類似ロボットが日本に別の名称を関しては入ってきた場合でも、差し止めや損害賠償請求等の対抗措置を取ることができます。実際に中国で類似ロボットが出回っているわけですから、いつ日本に入ってきてもおかしくはありません。

ソフトバンクが「ペッパー」の立体商標をしていない場合には、この盲点を突かれて類似ロボットの日本への流入を許してしまう可能性がありましたが、今回の立体商標の登録でそういった事態は回避できるでしょう。