2019年2月1日、特許庁は「五輪」の商標登録を認めた。2020年東京五輪・パラリンピックに乗じた便乗商法防止を目的としている。 (参照:2020東京五輪、商標問題を乗り越え公式マスコット決定

商標権者は国際オリンピック委員会(IOC)となっている。2017年12月に商標出願していた。今後は公式スポンサーだけが正式に「五輪」の文字を利用できることとなる。公式スポンサーとなっていない企業や団体が「五輪」を商品名やサービスに使用した場合には、権利侵害があると認められれば使用中止を求める方針だ。

IOCは、「五輪」という文字は不正競争防止法により保護されているが、商標登録によりさらなる知的財産権の保護と、権利所在の明確化をしたいとコメントしている。日本オリンピック委員会(JOC)も、「オリンピック」や「OLYMPIC」「がんばれ!ニッポン!」文字、公式エンブレムや公式マスコットなどの知的財産権保護を進めている。

「五輪」という表現はオリンピックの俗称として広まってきた。1936年に新聞記者が記事の見出しのために考案、定着してきた言葉である。

商標法第3条第1項では、その商品又は役務の普通名称を普通に用いらる方法で表示する標章からのみなる商標は、登録することができないと規定しています。

「五輪」という言葉は、オリンピックの俗称として幅広く流通している言葉であり、この規定に引っかかって商標登録できないかのようにも思われますが、特許庁では、国際オリンピック委員会の出願を受けて「五輪」の商標登録を認めました。

国際オリンピック委員会が「五輪」というブランドを使用する権利を持っていることは疑いのない事実ですが、非常に一般化された言葉ですので、「五輪」が商標登録されることによって、一般の方がこのブランドを自由に使うことができなくなるということは、多少適切ではない気もします。

ただし、特許庁が「五輪」商標登録を認めていますから、今回の申請は、商標登録上の登録拒否事由に該当しなかったということになります。