2015年9月30日、特許庁の外国特許情報サービス「FOPISER(フォピサー)」に新たなサービスが追加された。ロシア・台湾・欧州共同体商標意匠庁の商標情報の照会が新たに可能となっている。
(参照:特許庁、「地域団体商標と地理的表示(GⅠ)の活用Q&A」を発表

今回の進展で以下の機能が追加されている。ロシア、台湾、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)の管轄区域における商標情報を蓄積するとともに、出願番号や登録番号を指定することで、これらの情報を照会することが可能となった。

発行庁、称呼、区分、日付範囲などがわかっている場合はこれらの情報をもとに指定した簡易検索できる機能が追加された。また、これらの情報で絞り込むことで効率的な商標情報の照会が可能となった。さらに、照会した情報の表示を指定できるようになった。

書誌情報を含め表示する場合は書誌優先表示という指定で、商標画像のサムネイルを一覧表示する場合は画像優先表示という指定で検索できる。

2015年8月7日にサービスが開始したこの「FOPISER(フォピサー)」に新たな機能が追加されることで、より一層の充実したサービスが期待できる。

日本企業の海外進出の急速な増加に伴い、日本企業が海外において、商標権侵害などの知的財産権に関するトラブルに巻き込まれる可能性も大きくなってきております。そういった状況の中で、海外特許情報サービス「FOPISER(フォピサー)」の機能が強化され、より簡単・確実に商標調査が可能になったことは、非常に有意義なことです。

将来的に海外進出を考える場合には、現在出願する商標は、日本国内における類似商標がないかどうかを調査を経ただけでは不十分です。将来進出を考えている海外の国においても類似商標がないかを調査しておかなくてはなりません。

その際に、機能を強化した「FOPISER(フォピサー)」は効果を発揮します。また、今回の改良で、検索可能な地域にロシアが加わりました。ロシアとは、外交的には決して良好的な関係にあるとは言えませんが、経済的交流はそれなりにありますので、将来のロシア進出を考えている日本企業にとっては、今回の改良は朗報と言えるでしょう。